入れ歯
DENTURE
歯を失った場合の治療法の比較
虫歯や歯周病などで歯を失ってしまった場合、噛む力や見た目を回復させるために歯を補う治療を行います。
治療法には「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つの方法があり、この中からいずれかの治療法が選択されます。それぞれの治療法の比較をまとめました。
スクロールできます
入れ歯 | ブリッジ | インプラント | |
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審美性 |
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噛む力 | 噛む力は天然歯よりも大きく低下してしまう | 支えとなる歯の状態で異なるが、天然歯の6割程度まで回復できる | 天然歯とほぼ同じ咀嚼力に回復できる |
口腔内の違和感 | 違和感や異物感を感じやすい | 少ない | ほとんどない |
味覚への影響 | 熱・味を感じにくくなる | ほとんどない | ほとんどない |
他の歯への影響 | 部分入れ歯の場合、バネをかける歯に負担がかかる | 支えとなる歯に負担をかける | 他の歯には影響しない |
歯槽骨の吸収 | 歯槽骨の吸収が進んでしまう | 歯槽骨の吸収が進んでしまう | 歯槽骨の吸収を抑制できる |
適応について | ほとんどのケースで適応となる | 支える歯が必要 | 重度歯周病の場合以外 |
外科手術 | 必要ない | 必要ない | 手術が必要になる |
治療期間 | 短期間で治療できる | 短期間で治療できる | 治療期間が長い |
費用・保険適用 | 保険が適用となる | 保険が適用となる | 保険が適用とならないため費用が高くなる |
保険診療と自費診療の入れ歯の違い
当院は患者様の幅広いご要望にお応えできるように、保険診療と自費診療の両方の入れ歯を提供しています。保険診療と自費診療の入れ歯にはそれぞれに特徴があります。当院では、患者様がライフスタイルに合う選択をしやすいように、まずしっかりと説明を行っています。
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保険診療
保険診療の入れ歯は最低限の機能回復を目的としています。そのため、使用する素材が公的に決められており、治療費を抑えることができます。その一方で、使い心地や審美面はあまり重要視されていません。
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自費診療
自費診療は素材の選択肢が幅広いですが、保険が適用できないので費用負担は上がります。とはいえ使い心地の良さや外観的美しさにおいて、保険診療の入れ歯よりも優れたものを提供することができます。
入れ歯の種類
保険の入れ歯

保険診療の入れ歯はプラスチック製の素材で作製します。費用がリーズナブルで、作り方は国の方針で定められているため、修理しやすいのがメリットです。一方で強度を保つために入れ歯は厚くなる傾向にあります。圧迫感や異物感が苦手な方にとっては適しません。
金属床入れ歯

金属床義歯とは、お口の粘膜に触れる部分が主に金属で作られている入れ歯です。金属なので、入れ歯を薄くしても強度が保たれます。また、熱伝導率の高さにより、食べ物や飲み物の温度が伝わりやすく、食事をおいしく楽しめます。
Merit メリット
- プラスチック樹脂の入歯よりも薄く作ることができるので違和感が軽減される場合が多いです
- 金属を土台に使うため頑丈な義歯を作製でき、しっかり噛めます
- 金属から熱が伝わり、患者様が味覚を感じやすくなることで、より食事を楽しめるようになります
Demerit デメリット
- 健康保険の適用外のため自費診療となります
- 金属アレルギーをお持ちの患者様は使用できない可能性があります
- 素材に重みがあるため、金属床を装着した際に違和感を覚える場合があります
ノンクラスプデンチャー(ノンメタルクラスプデンチャー)

ノンクラスプデンチャーは、金属の留め具であるクラスプがありません。土台である義歯床を大きくすることで、入れ歯が外れたり、ずれたりすることを抑えています。外から見て、入れ歯を装着していると分かりにくいので審美性を追求したい方に好評です。
Merit メリット
- 金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません
- 見えるところに金属がなく見た目が良いです
Demerit デメリット
- 健康保険の適用外のため自費診療となります
- バネの力が金具のものより弱く劣化が早いです(2~5年で再製作が必要)
- 衝撃に弱い素材で、破損すると預かり対応になるため、歯のない時期ができてしまう恐れがあります
マグネットデンチャー

マグネットデンチャーは、歯ぐきや入れ歯に埋め込んだ磁石(マグネット)で固定するタイプの入れ歯です。入れ歯は隙間なく固定されて安定感があり、装着時の違和感がほとんどありません。また、付け外しも簡単ですので、お手入れも安心して行っていただけます。
Merit メリット
- 患者様ご自身で装置を取り外すことができるため、お手入れがしやすくなります
- 歯根に装置(キーパー)を埋め込む場合は、抜歯の必要がなく、身体への負担を軽減する効果が期待できます
- 磁石と金属の吸着力の強さにより、入れ歯がずれにくくなります
- 健康保険でもできるようになりました
Demerit デメリット
- 歯根に装置(キーパー)を埋め込むため、歯根が残っていないと使用できません
- 磁石や金属を使用しているため、ペースメーカー治療を行っている方、磁気・金属アレルギーをお持ちの方は装置の提案が出来ない可能性があります
- MRI撮影の際には取り壊す必要がある場合があります
アタッチメントデンチャー

アタッチメントデンチャーは、残存歯に埋め込んだアタッチメントを使って固定します。そのため、保険診療の部分入れ歯のように金属の固定金具が見えず、周囲の人に違和感を持たれにくいメリットがあります。また、装着感の良さも特徴としています。
Merit メリット
- 患者様ご自身で装置を取り外すことができるため、お手入れがしやすくなります
- アタッチメントの働きでしっかりと固定されるため入れ歯が外れにくいです
- 差し歯を作るには残っている歯が少ない歯、根っこだけの歯、やや揺れている歯などにも使用できます
Demerit デメリット
- 健康保険の適用外のため自費診療となります
- 入れ歯を外すとアタッチメント部分の出っ張りが気になる場合があります
入れ歯の料金
金属床入れ歯 | 165,000円~440,000円 |
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ノンクラスプデンチャー | 165,000円~440,000円 |
マグネットデンチャー | 保険適用もあり |
アタッチメントデンチャー | 1装置につき 22,000円~33,000円 |
※料金は税込み表示です。
入れ歯の治療期間・回数の目安
治療期間 | 2~3週間 |
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治療回数 | 4~5回 |
入れ歯は定期的な
メインテナンスが必要です!
入れ歯を作って出来上がったら終わりだと思っていませんか?入れ歯を使用し年月が経つと、
- 支えている歯肉の部分の骨が吸収してしまう
- 人工の歯が磨り減ってしまう
- 入れ歯にバネがある場合、緩んでしまう
- 汚れが固まって不潔の原因となる
などが起こります。そのため定期的に歯科医院に通い、メインテナンスを行うことが大切です。