小児歯科
PEDIATRIC
乳歯の生える時期

永久歯への生え変わりの時期

子どものお口の特徴
虫歯のなりやすさ
乳歯は永久歯と比べて、大人に比べるとエナメル質が薄く、歯質も弱い傾向があります。そのため、虫歯にかかりやすいうえに、発症後の進行も早めです。
これを踏まえて当院では、虫歯の予防や、早期発見・早期治療のための定期検診をおすすめしています。
歯の生え変わり
乳歯は生後6ヶ月頃から生えはじめ、6~12歳くらいまでに永久歯に生え変わります(歯の根の完成は萌出から2~3年後)。永久歯がそろえば噛む力も上がり、固いものでも食べやすくなります。
親知らずは生えない人もいますが、生える場合17~21歳頃です。
乳歯を早期に抜歯になってしまった場合(保隙)
乳歯が虫歯などで抜歯となってしまった場合、後から出てくる永久歯のために場所を確保し正しい噛み合わせを誘導する方法です。
顎の成長
身体の成長に伴ってあごも発達します。あごの幅が十分に発達しないと歯がきれいに並ぶことができないので、あごの発達は歯科の領域では無視できない要素です。あごの成長は6~8歳くらいがピークと言われています。
子どもの歯とお口の健康チェック
- 歯が何本はえているか知っている
- 毎日、仕上げみがきをしている
- 歯の表面がツルツル・ツヤツヤしている
- おやつは、栄養を考えて手作りしている
- 奥歯はデンタルミラーで見ている
- かかりつけ歯医者さんがいる
- フッ化物配合歯みがき剤を使っている
※いくつ当てはまりましたか?チェックが3個以下の場合、虫歯の可能性があります。歯科医院で診察を受けましょう!
「歯医者さん=こわい」と思わないように

大人でも歯の治療に不安を抱く方もいると思います。お子様にとってはなおさら恐怖を感じることがあるでしょう。
できるだけスムーズに来院するために、お子様の機嫌が良く、体力も万全な午前中の時間帯に受診するのが効果的です。
夕方になると疲れがたまり、不機嫌になることが多いため、できるだけ元気な時間帯を選んでください。
また「行きたくない」とぐずってしまうことがないよう、お子様に内緒で歯医者に連れて行くという選択肢もあるかもしれませんが、実は内緒にしない方が良い場合が多いです。
子どもは親の感情に敏感で、嘘をつかれたと感じると信頼関係にひびが入り、歯医者に対する恐怖が増すことがあります。
親御さんが普段通りの態度を見せることで、お子様も安心しやすくなります。
治療が終わった後は、「よく頑張ったね!」とたくさん褒めてあげることが大切です。
成功体験を積むことで、お子様は自信を持ち、歯医者さん=こわいところという恐怖心はなくなっていくことでしょう。
小児歯科で行う子どものお口の管理
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歯磨き指導
お子様と親御さんに正しい歯磨きの仕方をレクチャーします。歯磨きはトレーニングのようなものです。最初に正しい型を身につけて、少しずつケアを続けていけばセルフケアの精度は高くなります。虫歯ゼロのためにも一緒に頑張りましょう。
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フッ素塗布
乳歯が生えたばかりのお子様は、歯質が弱いためフッ素塗布が効果的です。歯の表面にフッ素を塗布すると歯質を強くしたり、細菌の繁殖を抑えたりできます。歯科医院で用いるフッ素は高濃度なので、市販のフッ素入り歯磨き粉に比べて、より確かな虫歯予防効果が期待できます。
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シーラント
奥歯の深い溝にレジン(歯科用の樹脂)を流し込むと、溝に食べかすが溜まりにくくなります。このような手法をシーラントと呼びます。歯を一切削らず、痛みもない虫歯予防の方法です。
ご自宅で行う子どもの歯の予防

きれいな口腔内を保つためには、歯科医院でのメインテナンスだけではなく、ご自宅でのケアも重要です。
小学校高学年くらいまでは、夜お休み前に仕上げ磨きをしてあげてください。お子様が自分で行う歯みがきだけでは磨き残しがあるからです。
その他、フッ素入りの歯磨き粉を使用したり、食習慣を見直すことで子どものころから清潔な口腔内を保つ習慣をつけていきましょう。
普段の食生活・生活習慣で虫歯を予防しましょう

虫歯が発生する前に対策を講じることが、最も効果的な予防法です。虫歯は日常生活の習慣が大きく影響する病気であり、日々の習慣を見直すことで、お子様の歯を健康に保つことができます。
お子様の大切な歯を虫歯から守るために、以下の予防法をぜひ取り入れてみてください。
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時間を決めて食事を摂る
お子さまの食事時間を一定に保つことで、規則正しい生活習慣が身に付きます。決まった時間に食事を摂ることで、体内時計が整い、消化器官のリズムが安定します。
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体を使った遊びを取り入れ、自然な空腹を得る
運動を取り入れた遊びをすることで、自然にお腹が空くようになります。体を動かすことで代謝が促進され、食事の楽しさも増します。
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子どもの好みに迎合しすぎず無理強いも避ける
お子さまの食欲や味の好みは成長と共に変わります。柔軟なアプローチを心がけ、無理に食べさせることなく、楽しく食事に向き合うことが大切です。
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楽しく食事を摂れる環境を確保する
食事の時間を楽しいものにするためには、家族が笑顔で一緒に食べることが大切です。明るくてリラックスできる環境を作り、お子さまが食事を楽しめるようにしましょう。
気づいたら「おくちポカン」なっていませんか?

何かに夢中なときや無意識のうちにお子様のお口がポカンとなっていることはありませんか?
口呼吸は、鼻詰まりやアレルギー、扁桃腺やアデノイドの肥大などの理由で起こることが多いです。これらの原因があると、子どもは自然に鼻で呼吸することが難しくなり、口で呼吸するようになります。
口呼吸の影響
- 虫歯や歯周病
- 口の中が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
- 顔の形や歯並びへの影響
- 常に口を開けていることで、顎の発育に影響を与え、歯並びが乱れることがあります。
- 集中力や睡眠の質の低下
- 十分な酸素が体に供給されにくくなり、集中力や睡眠の質が低下することがあります。
口呼吸を改善するための「あいうべ体操」
口呼吸を改善するために効果的な方法の一つが「あいうべ体操」です。この体操は、口周りの筋肉を鍛え、鼻呼吸を促進するのに役立ちます。この体操を毎日続けることで、口呼吸の改善に期待ができます。
- あ:口を大きく開けて「あ」と発音し、10秒間保持します。
- い:口角を上げて「い」の形を作り、10秒間保持します。
- う:唇を突き出して「う」と発音し、10秒間保持します。
- べ:舌を突き出して「べー」と発音し、10秒間保持します。
