入れ歯の種類・選ぶべきポイントは
歯を抜いた後、新しい歯をどうしたら良いのかとお悩みの方は多いと思います。
また現在入れ歯をお使いの方の中にも使いにくさや不具合がある方も多くいらっしゃるかと思います。そこで今回の投稿では改めて入れ歯にはどんな種類があるのか、自分に合った入れ歯はどれなのか、を見つけるきっかけになればと思います。
入れ歯の種類

①残りの歯の有無での分け方
・部分入れ歯(歯にバネなどをかけて支える)
・総入れ歯(歯が全部ない状態での入れ歯)
②入れ歯の材質やその固定方法の違いでの分け方
・レジン床(健康保険で広く用いられるピンクのプラスチックを使用)
・金属床(自由診療で主に用いられる薄い金属を使用)
・ノンクラスプ(自由診療で用いられる従来の金属バネを見えるところに設置しない柔らかな樹脂を使用)
・マグネット
(入れ歯や残っている歯、インプラントなどに磁石を用いる事で入れ歯が取れにくくする)
・oリングアタッチメント
(残っている歯の根っこの部分にフック、入れ歯の裏にゴムのリングを埋め込んだアタッチメントでゴムのリングにフックを引っ掛けることで入れ歯を固定する。)
・インプラントオーバーデンチャー
(インプラントを入れ歯の安定のために利用する)
例えば、①の部分入れ歯で、②のレジン床入れ歯をつくる。や①の総入れ歯で、②の金属床入れ歯を作る、と言った具合に組み合わせていきます。
しかしこのように分類分けしてもどれが良いのかどう選んだら良いのか複雑に感じてしまうかと思います。
入れ歯を作る際に考慮すること

「入れ歯をお口の中で安定させるための装置はどうするのか」「快適性や審美性はどうするのか」大きくこの2点にあるかと思います。
入れ歯をお口の中で安定させるための装置はどうするのか
例えば今、お使いの入れ歯が緩い、食事中に取れてしまうなどのお悩みがあればそこを重点に解決しなければなりません。
状態として散見されるのは
・バネが緩んでいる
・バネをかけている歯が揺れている
・入れ歯の歯がすり減っている
・ピンクの部分が今の歯茎と合っていない
・噛み合わせが合っていない
などです。
これら原因を診査・診断し個々に設計をして対応していきます。
快適性や審美性はどうするのか
快適性においては一般的にはプラスチックのレジン床の方が金属床に比べ厚みがあったり、大きく感じる方が多いかと思います。
しかし金属独特の舌触りなどがあり金属床が全ての方に快適、というわけでもありません。
ノンクラスプ義歯は目に見える表面には金属がないという審美的には優れた面があります。
ところが破損時の修理が困難であったり金属のバネと異なりきつさが調整しにくいと言ったデメリットもあります。
マグネットを取り込む義歯は最近健康保険にも適応が広がってきています。
しかしMRI検査時には入れ歯だけではなく歯につけたマグネットも一度取り外す必要があることがあります。
oリングアタッチメント義歯は、通常の差し歯などでの再建困難な歯でも限界まで利用できる方法です。しかし適応できる歯の条件や審美面では懸念点もあります。
インプラントオーバーデンチャーは多数の歯を失った場合や残っている歯はあるもののそれぞれがすれ違ってしまっている場合など通常の入れ歯では難症例という判断の場合に用いることが多いです。
インプラントによりしっかりと噛めたり、外れにくい、コンパクトにでき快適である一方で、手術が必要になります。
今回は一部紹介させていただきましたが、次回以降にそれぞれの入れ歯についてもう少し解説もしていきたいと思います。
また入れ歯の設計は前述の通り様々です。
それぞれ皆様にとってどんな入れ歯がよいのか、はお悩み・お困りごとを些細なことでも教えていただき我々と一緒になって考えていければ幸いです。